24時間換気の設置義務とシックハウスについて
1. シックハウス症候群とは
シックハウス症候群は、住宅内の空気中に含まれる化学物質や微生物などが原因で、住人に健康被害を引き起こす現象です。
主な症状として、以下が挙げられます:
- 頭痛
- めまい
- 喉の痛み
- 呼吸器障害
- 皮膚炎や目のかゆみ
原因物質
シックハウスの主要な原因となる化学物質には、以下があります:
- ホルムアルデヒド
- 主に接着剤に含まれる防腐剤(ホルマリン)が放散する化学物質。
- 家具や合板、フローリング、壁紙に使用される接着剤から放出。
- 揮発性有機化合物(VOC)
- 塗料、コーティング剤、防腐剤、接着剤などから放出される化学物質。
2. シックハウス対策としての接着剤削減
接着剤に含まれるホルマリンの放散を防ぐためには、以下の対策が有効です:
- 接着剤の使用を減らす:
接着剤を使用せずに組み立てる「無垢材」を選択。 - 低ホルムアルデヒド建材の使用:
「F☆☆☆☆」規格(最も安全なホルムアルデヒド放散量基準)の建材を使用。 - 自然素材の採用:
化学物質を含まない天然木材や塗料の使用を検討。
3. 建築基準法に基づく24時間換気
2003年に改正された建築基準法では、住宅内の空気環境を適正に保つために24時間換気設備の設置が義務付けられています。
3.1 24時間換気の基準
- 室内の空気を2時間に1回以上入れ替えることを要求。
- 換気量は、1時間あたり0.5回以上(ACH 0.5)と定められています。
例)20平方メートル(天井高2.5m)の部屋
必要換気量 = 50立方メートル/時
3.2 換気設備の種類
建築基準法で認められる換気設備は以下の3種:
- 第1種換気方式:給気・排気ともに機械で行う方式。
- 第2種換気方式:給気を機械、排気を自然に行う方式。
- 第3種換気方式:排気を機械、給気を自然に行う方式(住宅で主流)。
24時間換気メーカー例
https://www.mahbex.com/product/sumika
3.3 特定建材の規制
ホルムアルデヒドを含む建材に対し、以下のような使用制限が設けられています:
- F☆☆☆☆建材:制限なし(ホルムアルデヒド放散が最少)。
- F☆☆☆以下の建材:面積や換気量に応じた使用制限。
4. メンテナンスと注意事項
24時間換気システムは正しく維持・管理しなければ、効果が減少します。
- フィルターや換気口の定期清掃。
- ダクト内の清掃。
- 機器の動作確認。
まとめ
シックハウス症候群の予防には、化学物質を減らす建材選びと24時間換気の徹底が欠かせません。
建築基準法に基づく24時間換気設備の設置と、適切な換気量を確保することで、安全で快適な住環境を維持できます。
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